メザスヒカリノサキニアルモノ若しくはパラダイス

松本大洋作同名戯曲より

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◆あらすじ

洗濯機は今日も激しく音を立てている。ぐるぐるどたばたがこんがこん。
ラジオからは誰かがリクエストした音楽が流れていて、無線からはいつもの野卑な会話が聞こえていて、
「楽園」ではビールとバドワイザー（これもビール）と冷凍ピラフとコーヒーが用意されている。
全部の思い出とか未来とか夢とかは海に流れていって、それがまた洗濯物をすすぐ水となって戻って来る。
いつもと変わらない毎日、それでも違う毎日。僕たちは深夜の246号線をトラックで走る。

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◆イントロダクション

ソコカラナニガミエル?
と松本大洋が描く多くの作品は私たちにこう問いかけてくる。
はっきり言うと私の答えは、ナニモミエナイ。
正しさも、幸せも、目指すべき理想の世界も見えない。見えないというより見るべき場所も、見方もわからない。

今回ルサンチカが挑戦するのは松本大洋が描くユートピアを題材に、私たちが目指すことができる世界、誰のためでもない私たちにとっての楽園を定義し、本作を上演する。
「What’s the purpose of your visit ?」

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演出家の河井朗が主宰する演劇ユニット、
ルサンチカの約１年ぶりとなる新公演が決定。

『鉄コン筋クリート』『ピンポン』等で知られる、漫画家 松本大洋の作品『メザスヒカリノサキニアルモノ若しくはパラダイス』を上演する。

当作品は2000年に劇団黒テントに戯曲として提供。第45回岸田國士戯曲賞の候補作品でもある。